日本で舞妓さん・芸妓さんがいる地域

「舞妓といえば京都」というイメージの方も多いと思われますが、京都以外にも芸舞妓のいる地域はあります。芸舞妓が活躍している主な地域を紹介しましょう。

日本で舞妓さん・芸妓さんがいる地域

京都府京都市

芸舞妓は京都の象徴的な存在です。芸舞妓が所属するお店を「置屋」、置屋が集まっている地域を「花街」といい、京都には上七軒、祇園甲部、祇園東、先斗町、宮川町の「五花街」があります(詳しくは後述)。芸舞妓の人数は合計300人ほどで毎日午前中は稽古に励み、夕方からはお座敷に上がるのです。

なお、街中で見かける「舞妓さん」の多くは、「舞妓変身」をした観光客であり、本物の芸舞妓をお座敷以外で見かけることはほとんどありません。気軽に芸舞妓に会いたい方は、京都市内ホテルで開催されている舞妓ショーや、毎年春・秋に行われている「をどり」の公演を見に行きましょう。

東京都

日本の首都である東京でも、芸舞妓文化は発展してきました。こちらでは芸妓を「芸者」、舞妓に相当する見習いを「半玉」「雛妓(おしゃく)」と呼んでいます。新橋、赤坂、神楽坂、芳町、向島、浅草の東京六花街があり、中でも新橋芸者は全国的に有名です。

石川県金沢市

加賀百万石の城下町として知られる金沢には、ひがし・にし・主計町といった3つの「茶屋街」があり、伝統的な街並みが残っています。夕方に茶屋街を歩けば、軒行灯の灯る家から三味線や太鼓の音が聞こえてくるでしょう。

新潟県

新潟の芸妓は岩室温泉発祥です(岩室芸妓)。新潟市では古町芸妓が活動しており、芸妓を「留袖(とめそで)」、見習いを「振袖(ふりそで)」と呼んでいます。

福井県小浜市

古くから京都とのつながりが強い地域で、京文化が根づいた花街が形成されてきました。現在では、料亭「播磨」が小浜芸妓と会える唯一のお店となっています。

山形県

山形市の「やまがた舞子」、酒田市の「酒田舞娘」が伝統を受け継いでいます。酒田舞娘は、帯の結び方が京都の舞妓と異なるのが特徴です。

秋田県

かつて「川反(かわばた)芸者」が名を馳せていましたが、一度途絶えてしまい、近年「あきた舞妓」として復活しました。秋田の魅力の伝道師として活躍が期待されます。

静岡県

海運の街として栄えた清水では、「しみず芸妓」が伝統を守っています。また、熱海や伊豆長岡といった温泉地でも、「見番(けんばん)」に所属する芸妓が活躍中です。

愛知県

名古屋市には名妓連組合、安城市には笑美素会(えびすかい)が存在し、名古屋芸妓・安城芸妓の文化を継承しています。

兵庫県神戸市(有馬温泉)

日本三古湯の1つである有馬温泉にも、芸妓文化が継承されています。お座敷遊びのゲームや、カラオケのデュエットの相手もしてくれるのが魅力です。

愛媛県松山市

明治の時代から、松山城下で花街が発展してきました。道後温泉の賑わいも、花街の隆盛に影響しています。戦後は松山と道後に見番が存在した時期がありましたが、現在は松山見番に統合されており、平成21年には戦後初めてのお茶屋「乙鳥(ツバクラ)」も作られました。

福岡県福岡市

「博多見番」に所属する芸妓衆が活躍中で、毎年12月に行われる「博多をどり」は、令和2年で30回目を迎えます。

京都の五花街と近隣の観光スポット

日本を代表する観光地である京都には、花街以外にも多くの観光名所があります。花街を見て回る時は、その他の名所も含めてルートを設定するのがおすすめです。五花街の特徴と、そこに近い観光スポットを紹介します。

上七軒

北野天満宮のそばに位置する、京都で最も古い花街です。室町時代、北野天満宮の造営の際に余った木材を使い、7軒の茶店を建てたことが名前の由来とされています。高級絹織物で有名な西陣と関係が深く、別名「西陣の奥座敷」。近年では無電柱化に加え、道が石畳風の舗装となり、さらなる風情を楽しめるようになりました。

祇園甲部

八坂神社の門前の水茶屋から発展した、京都最大の花街です。夏目漱石や谷崎潤一郎など、多くの文人にも愛されました。観光名所も多く、情緒あるお茶屋の家並みが続く花見小路、3つの庭園と数々の文化財を有する建仁寺、「縁切り神社」として有名な安井金比羅宮など盛りだくさん。先斗町へとつながる四条大橋のたもとには、日本最古の劇場として知られる京都四條南座もあります。

祇園東

祇園甲部に隣接する花街です。明治時代に祇園甲部から独立しており、別名「祇園乙部」。祇園祭で知られる八坂神社は、祇園甲部との境目付近に位置します。街中を流れる祇園白川は散策に最適のスポットで、両岸には風情ある街並みが続き、しだれ桜やソメイヨシノが咲き誇る春にはぜひ訪れたいところ。わずか60cmの「一本橋」も渡ってみましょう。

先斗町

鴨川の西側に沿って建物が並ぶ花街です。毎年5月に行われる「鴨川をどり」は、五花街の「をどり」の中では最も上演回数が多いことで有名。川沿いの街だけあって、川床を設けている飲食店が多く、夏場に涼みながら食事を楽しむにはうってつけです。鴨川にかかる四条大橋を渡れば、祇園甲部へ行くこともできます。

宮川町

五花街の中では最も南に位置する花街です。かつては遊廓が多く存在していたため、今でも遊廓時代の建物が残っています。舞妓の数は祇園甲部に続く規模を誇り、毎年春には「京おどり」、秋には「みずゑ會」を開催。清水寺や三十三間堂といった名所にも、比較的移動しやすい位置にあります。

花街を見て回るためのサンプル1日観光ルート

1:嵐山

まず足を運んでおきたいのが、美しい竹林で知られる嵐山です。シンボルである渡月橋を渡り、「竹林の小径」を散策すれば、小鳥のさえずりや竹の葉の擦れ合う音に癒やされること間違いなし。日中は観光客で賑わっていますが、早い時間帯であれば比較的静かな空気を楽しめます。

2:金閣寺

朝の嵐山を堪能したら、大きく東に移動して金閣寺へ向かいましょう。もはや説明不要ともいえる黄金の舎利殿は、一度は見ておきたいスポットです。もちろん、全体の散策も楽しんでください。

3:北野天満宮

学問の神様・菅原道真公を祀っている、受験生に人気の神社です。春先には道真公も愛した梅が、秋には紅葉が楽しめます。上七軒のすぐ近くにあることから、花街めぐりにあわせて立ち寄りやすいのも魅力です。

4:上七軒

北野天満宮からほど近い上七軒は、五花街の中で最も北、他の4つの花街とは離れたところに位置しています。毎年3月下旬~4月上旬には「北野をどり」が開催されるため、この時期に京都を訪れるなら、ぜひ見ておきたいところ。1回目の上演は14時からなので、ランチタイムに合わせて上七軒に入るといいでしょう。

5:ランチ

上七軒は花街だけあり、美味しいランチがいただけるお店もたくさんあります。創作和食から洋食まで多彩なお店がそろっているので、ちょっと贅沢な昼食をお楽しみください。人気のお店は予約していくのがおすすめです。

6:元離宮二条城

上七軒の散策とランチを楽しんだら、世界遺産・元離宮二条城へ足を伸ばしましょう。徳川将軍家とも深い関わりがあり、豪華絢爛な内装は必見です。

7:伏見稲荷大社

二条城からは、京都駅を越えて大きく南へ移動し、伏見稲荷へ行ってみましょう。かなり距離があるように見えますが、JRで二条駅~稲荷駅まで移動できるため、それほど時間はかかりません。朱塗りの千本鳥居には、誰もが圧倒されるはずです。

8:清水寺

伏見稲荷に参拝したら、京阪本線に乗って鴨川沿いを北上。清水五条駅で降りて清水寺を目指しましょう。「京都といえばここ」といえるくらい有名な、平安遷都以前からの歴史を誇る寺院です。清水の舞台から、京都の美しい眺めをお楽しみください。

9:祇園

1日の最後は、夕食も兼ねてお待ちかねの祇園です。祇園甲部を筆頭に、4つの花街が鴨川沿いに集中しており、それぞれ異なる魅力があります。伝統ある料亭・割烹はもちろん、リーズナブルに食事が楽しめるお店もたくさんありますから、旅行の締めくくりに舌鼓を打ちましょう。少し早めに移動して、八坂神社に参拝するのもおすすめです。